どこでも働けるようになったこの時代に、『田舎暮らし』という選択肢が頭のどこかにある方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回はそんな方に耳よりなお話。

こんな田園風景に囲まれた『田舎暮らし』のスペシャリスト、木村節郎さん。
人物百景@たぶせ、第4話は、誰もが知る『田舎暮らしの達人』から、
田舎暮らしの魅力や喜び、また、その未来について、
掘り下げて伺ってまいりました。
名前:木村 節郎 (きむら せつお)
プロフィール:田布施町上田布施のご出身。家業の農業を営みながら、田布施町の地域おこし、教育、文化などの多方面にご活躍。
稲作においては、一般的に害虫とされる”ジャンボタニシ”を利用した有機栽培のお米『ジャンボタニシ共生米』が高い評価や取材を受ける人気商品として販売されながら、
元芸大出身の経験を生かした地域おこしのイベントとして毎年、『田んぼアート』を営農地で実施し、それを地元小学生にも体験してもらう『田植え体験』を主宰している。
(聞き手・撮影・記事=田原)
※写真は一部木村さんからご提供をいただいておりますので、無断での転用はお控えください。使用をご希望の方はご連絡をくださいませ。
百姓・木村
『百姓・木村』といえば、田布施町では知らない人の方が少ない超有名農家さん。

まず、この田んぼアートの発案、実践者であり、
“ジャンボタニシ共生米“という有機栽培を実践する田布施町が誇る有機栽培農家の雄です。
その他にも、

手作りのポスターに看板づくりから、小学生に“自分たちで作る楽しさ“を提案したり、

学校田を自分の借りている田んぼで小学校の子供たちの稲作体験の場づくりまで、
まちのことを手広く手掛けられるスーパーマン。

生まれ故郷の田舎で自然との共生を楽しむ生き方を実践するコツと、そのルーツに迫りました。
”ちょっとそこまで”野山遊びの延長線上
木村さんは田布施の生まれで、農家の出身。

木村さんの幼少期は、
『自分たちで何かをすることがやりやすかった時代』
『ちょっとこそまで』と、
ふかし芋や煮干しをポケットに詰め込んで野山を走り回った幼少期を経て、学生時代にはクラブ活動も音楽室での自主コンサートも、
人から促されるよりも自分で作り出す事が多かった、戦後から高度経済成長期を控えた時代だったそう。
そんな学生時代に、特に何も決めていなかった自分の進路を、
変わった奴と出会いたい
という理由で、デザイン・芸術を専攻とする九州の大学へと単身進学。
そこでも、生活費と芸術家としての活動費を自分でまかないながら、
“自分で作り出す精神“によって、新しい仲間、出会う人とともに更に刺激的な人生経験を積むこととなりました。
芸大時代の生活

芸大生としても同じく、金はなくてと何とかなるさと、自分のやりたい事に妥協をしないため、生活は極限まで切りつめ、アルバイトも稼ぐことに留まらず自分のスキルを向上できる事が選択の基準。
自分の体力の限界、ヘトヘトになるまで積み重ねた量(面積とか体積とか)を、目にした人がどう着目して、どう反応するかにとても興味があり、周りの人を巻き込みながら一緒にやる事が好きだったとのこと。
幼少期に培った『ちょっとそこまで』の動機が、関係した人々やその背景とともに拡張した木村さんの興味は、“生み出す“エネルギーを全開で過ごした芸大時代を経て、徐々に生きる意味の追求に至り、24歳の時に少しずつ貯めていたお金を使って、海外に自分探しの放浪の旅に出ることとなりました。
“お金を稼ぐ時間“と“やりたい事をやる時間“の二重構造

放浪の旅で確かめたかったのは、
“お金を稼ぐ時間“と“やりたい事をやる時間“の二重構造
に対する疑問への回答。
経済の発達していない地域を自分の目で見て回れば分かるはず。

まだカースト制度が色濃く残るインドの城壁下で感じた、支配階級の他人任せの生活に全く魅力を感じない自身と、持たざる者の姿から感じた“暮らす“とは?という疑問は、
その後ネパールなどを含め、日本に戻り資金を貯めてはまた別の場所へ向かう生活を送り、人間にとって生きることとは?について考えて続けた結果、最後に訪れたパキスタンで

夕日が沈みゆく二時間の間、老人が二人、あぜに腰掛けて談笑するのを目にした時、
時間の概念に囚われてあくせく働くのが暮らしではない。
自分に必要な分を自分で生産する
“百姓“
こそ、自分の生き方だと気づかれた木村さんは、その場でご両親に「百姓として暮らす」と手紙を書いて送り、家業を継ぐことを決意しました。
後編へつづく・・・
田舎暮らしは究極の贅沢 百姓・木村- 木村節郎さん(後編)【人物百景@たぶせ】 | 田布施の耳たぶ (tab-mimi.com)
【楽天市場】百姓木村の『ジャンボタニシ共生もち米(精米・白米・モチ米)[未検査米]』5kg:yamaguchiきらら特産品 (rakuten.co.jp)
※『人物百景@たぶせ』は、菊名池古民家放送局(https://www.kominka.tv)から暖簾分けを受けた、まちで生きる人々を取材して、まちをより深く知るためのコーナーです。
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