人物百景@たぶせ、記念すべき第1話は、
NPO法人田布施町まるごと公園化プロジェクトの代表で、フリープロデューサーの田川 一郎さんにお話を伺うことができました。
名前:田川 一郎(たがわ いちろう)
プロフィール:田布施町下田布施のご出身。
テレビ朝日でプロデューサーを務めた後、現在はフリープロデューサーとしてご活躍。
更に、田布施町では2013年から”田布施町まるごと公園化プロジェクト”の主宰として、7年間で5000本を超える桜の苗木を町内に配布。過去にもはぜの実ろうそくまつりなど、地元を盛り上げる魅力ある企画を数々ご成功。ブルーベリー農園や人気ブログなど、精力的にご活動中。
【田川さんのホームページ】(ブルーベリーも購入できます)
(聞き手・撮影・記事=田原)
この記事は後編です。前編はこちら↓↓↓
町をまるごと公園に テレビマンのまちづくり〈田布施町まるごと公園化プロジェクト – 田川一郎さん〉≪前編≫【人物百景@たぶせ】 | 田布施の耳たぶ (tab-mimi.com)
東京には掃く落ち葉もない。田舎が秘める『風景資本』
田川さん):東京では、毛虫が図鑑の世界のものなんです。
まどみちおさんの『けむし は さんぱつが きらい』っていう詩を聞いたとしても、頭にイメージが湧かない。それが都会の子どもたち。
そこら辺に落ちてる落ち葉だって、田布施に住んでるから当たり前で邪魔と感じるけど、
都会には、落ち葉を掃きたいと思っても、落ち葉さえ落ちてないんだよね。
田舎に何か起爆剤がないとまちおこしは難しいように思われることが多いですが、田布施から東京に出た田川さんには、我々が忘れかけている『田舎の風景』という価値の存在をはっきりと認識されているようでした。
山口県周南市ご出身の藻谷浩介が提唱する『里山資本主義』を、
田川さん):テレビマンというのはいかに上手く真似するかがテクニックなんですよ(笑)
と冗談を飛ばす田川さんが提唱するのが『風景資本主義』
お金を媒体とする現行の資本主義における”インフラ”とは、 道路や、道路や水道などのライフライン、公共施設などのことですが、
風景資本主義の概念においては、風景そのものがインフラであり、 その美しさが人の心を打ち、この地域でいい環境を作りたい、いい環境を生かした生活をしたいと思う人によって自然と綺麗な風景が広がり、それを求める人が自然に集まってくる。
実際にヨーロッパ諸国では、公園の中に田園都市が広がるような、美しい街並みがたくさんある。
豊かな風景に心が感化され、自分はここに住んでみたい、ここで何か暮らしの生計を立てていきたい。 そう感じる人が増えていけば、自然とまちは豊かになる。 そういう魅力的な田布施を作りたいと、穏やかに語ってくださいました。
Think glorbally, act lorcally
取材中、田布施の未来について想いを語られつつも、
田川さん):『あなたはどう思うの?』
と、私の考えにも黙って耳を傾けてくださった田川さん。取材の最後に、
田川さん):“Think Globally, Act Locally“という言葉を知ってる?
何か大きな目標を持つ事は大事だけど、それを目指すために焦ったって状況はすぐには変わらない。
目標は壮大に持ちながらも、それを叶えていくためには先ずは足元から。
小さな事からでもいいから、自分に出来る事を一つひとつ丁寧にやっていこうよ。
世界を股にかけ、様々な状況の中で懸命に生きる人々、そこに同行し、芸能人の立場を振りかざすことなく人間らしく生きる人、沢山の仲間から影響を受けながら、田川さん自身がこれから生きる人に向けて伝えたいことを日々実践する。
田川さん):見えない世界を近くで見たかのように伝えてあげるのがテレビの仕事だよ。
こうした世界を知る田川さんだからこその、
Think Globally, Act Locally『地球規模で考え、足元から行動しよう!』
まちに対する大きな想いと、
それがいつか叶うようにと出来ることから取り組まれる様々なご活動。
そんな田川さんだから一つひとつの取り組みが光り輝き、
まちの人々を魅了するのでしょう。
未来のためにできること
田原):田布施町まるごと公園化プロジェクトのゴールはどこにあるのでしょう?
田川さん):『う〜ん…、
…
…こういうまちを作りたいというイメージが出来たら、どうやってそれを完成させるかを考えるのではなく先ずは自分が動いてみる事。僕の活動は、何かを目指す訳ではなく、自分が思う事を素直に実行して、それを感じ取ってくれる人がいればそれでいい。僕は、自分の活動を通して少しでもまちに興味を持つ人が増えたり、まちに興味を持って、まちづくりに意欲を持ってくれる人が増えたら、それでいいんだよ。そしたら、田布施はいつかよくなるから。』
田川さんへの取材から、壮大な事を考えることよりも小さなことからこつこつと、 まずは、自分が何かひとつでも実践をしていく事が大切だなと強く感じました。
今日より明日、明日より明後日と、 この田布施のまちが少しでも豊かなまちになりますように。
田布施町まるごと公園化プロジェクトで当初、ひと世帯に1本、6000本を目指した桜の苗木の無料配布も、
6年の歳月を経て、4700本が田布施に植えられました。
もう既に咲き始めている桜の木もあるそうで、苗木を植えた方が、回り道をしてわざわざ車で桜を見にくる方のお話などを聴かせてくれる事を喜んでらっしゃいました。
こうして一つひとつが徐々に結実して、風景資本主義や田園都市化が進んでいく…こうして身の回りを、一人ひとりが活用すれば、それだけで美しい自然は広がっていくのだなと実感するところです。
田川さんのホームページ
(ブルーベリーも購入できます)http://www.inv.co.jp/~tagawa/
※『人物百景@たぶせ』は、菊名池古民家放送局(https://www.kominka.tv)から暖簾分けを受けた、まちで生きる人々を取材して、まちをより深く知るためのコーナーです。
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