愛いっぱい ヒューマンパワーの直売所〈田布施地域交流館 – 丸山真理子さん〉《前編》【人物百景@たぶせ】

人物百景@たぶせ

人物百景@たぶせ、第6話は…

-全国の地方自治体で進む少子高齢化が例に漏れず顕著なまちで、

まちの住民に広く支持され、エネルギーの発信源となっている地域の直売所があります。

今日のお話は、そんな『田布施地域交流館』で、

真心のこもったサービスを開業当時から利用者に提供し続ける”看板娘”のストーリー。

名前:丸山 真理子 (まるやま まりこ)

プロフィール:田布施地域交流館のレジグループ主任として、直売所の開業当時から現在まで勤め続ける看板娘。

”ヒューマンサービス”を標榜し、直売所を利用する購買者だけでなく、生産者にも同じように寄り添い、徹底した真心尽くしをすることで、これまで直売所甲子園優秀賞(2013、2015)、『新たな販売戦略部門』金賞(2019)、『がんばる中小企業・小規模事業者300』選定(2014)などの数々の受賞歴を支えて、田布施町だけでなく、広域の購買層、生産者から支持される直売所の運営を支えている。

紹介・アクセス – 田布施地域交流館紹介・アクセス | 田布施地域交流館紹介・アクセス – 田布施町の農水産物直売所ですtabuse.biz

(聞き手・撮影・記事=田原)

※写真は一部田布施地域交流館からご提供をいただいておりますので、無断での転用はお控えください。使用をご希望の方はご連絡をくださいませ。

地域密着の直売所、田布施地域交流館

小規模生産者さんの運営を助けるために全国に開設が広まった『産物直売所』。何より、その魅力は『新鮮さ』

元来、様々な卸業者や流通網を通して消費者に届けられるため、新鮮さや熟成度に課題のあった青果も、

農産物直売所が普及してからは、美味しくて、安心な青果が地元消費者の手に届くようになりました

2009年度には、全国の直売所が16,816施設あり、セブン-イレブンの2013年2月時点の国内店舗数15,072店を上回っていたそう。

また、農産物の全流通量のうち、5%が直売所経由で販売されているそうです(農林水産省の2011年発表の調査より)

そんな全国数多の直売所の中でも、直売所甲子園で優秀賞を連続受賞するなど、地域に存在感を発揮する田布施地域交流館!!

 全国直売所甲子園優秀賞受賞 – 田布施地域交流館全国直売所甲子園 優秀賞 受賞 | 田布施地域交流館全国直売所甲子園 優秀賞 受賞 – 田布施町の農水産物直売所ですtabuse.biz


のどかな農村にあって、数千分の1に連続で選ばれる実績と地元の圧倒的評価を揃え持つ田布施地域交流館の秘密は、その圧倒的な


ヒューマンパワー

田布施地域交流館へ農産物を出荷する農家さんは、70代、80代の生産者さんもパワー溢れる元気な生産者の方々ばかり。中には、難しいといわれるリンゴやブドウを見事に生産する、97歳の生産者さんまで。

まさに、地域の地産地消の拠点として、地域住民に愛と元気を配り続ける田布施地域交流館。なぜ、のどかな農村の直売所にこんなエネルギーが集まるのか。今回の取材ではその理由を垣間見ることがでいました。

ヒューマンサービスで支えるレジグループ

田布施地域交流館(以下交流館)のレジ主任兼、看板娘でもある丸山さんは、オープンから長年に渡り支える交流館の大黒柱でもあります。

交流館って、毎朝大盛況でこんな感じ。これが、開業から19年、ずっと続いています。

2002年のオープン当初の、レジ担当としての求人に応募して交流館に関わることとなった丸山さん。

田原) :この大盛況はいつからなんですか?

丸山さん) :正直、グランドオープン当日からずっとなんです。笑

オープン当日は『まあ、グランドオープンだしこんなもんか…』と、いつかは落ち着くだろうと思っていたのですが、

そのまま今日まで突っ走ってきました。笑

オープン時には同じくレジ担当として入った方と、マネージャーさんを含めた3人体制での運営で、

目が回るとか、そんなレベルではないくらいの忙しかったです。

すぐに地元に愛される存在となった交流館は、その後2006年に協同組合として町の経営から独立、翌年には惣菜部、菓子部が組合として独立採算性に移行するなど、事業がどんどんと拡張してゆきました。

レジ主任として共に歩んで来た丸山さん擁する交流館の『レジグループ』は、ただのレジ担当ではありません。

人と人との心が通じ合う、“ヒューマンサービス“を信条に、どうやったら少しでも交流館を利用する方々が喜んでくれるか、いつまでも愛してくれるかを一人ひとりが考えるのが交流館のレジグループ

例えば、レジの袋詰めも基礎からしっかり学んで全てサービス。更に、状況によっては荷物を車まで運んだり、あいさつや入荷のお知らせも明るく元気に声かけ!!

毎日、レジだけでなく、野菜の陳列や購入予約の整理、ダンボールやコンテナなどの片付けなどの複数業務を同時並行で行いながらも、

野菜や肥料のことまでしっかり学んで、お客さんからどんな事を聞かれても丁寧に答えられるように日々研修を重ねているそう。

更には、野菜の売れ残りを出来るだけ少なくするように、大口の顧客への販路開拓など、様々な努力と愛情の結集が、今日の交流館の飛躍につながっているようです。

※ほとんど空の陳列棚が並ぶ閉店間際の光景

丸山さん) :理事長からはいつも『とにかくオリジナリティを!!』と号令がかかります。笑

そういう叱咤激励に負けるか〜と、今では自然と生産者さんや消費者のみなさんに何ができるか、どんなことが出来たら喜んでもらえるかなとか、日々考えて実践してみるようになっちゃいましたね。

オリジナリティあふれる愛情が至るところに散りばめられているからこそ、誰もが喜ぶ交流館が我々のそばにあるのですね。

生産者さんとつくる直売所

2007年に企業組合として交流館からそれぞれ独立した惣菜部、菓子部も、オリジナリティと愛情あふれる生産現場です。

『作るだけではダメ、ご提供し終えるまで役割をしっかり全うしよう』

との号令のもと、冷凍食品など一切なし!全て手作り惣菜のお弁当や、

様々なお菓子などの特産品の開発、

全国ネットで取り上げられた里芋コロッケ

なんと、名産品のいちじくから酵母を培養して作る天然酵母によりオリジナル米粉パン

など、まさにヒューマンパワー溢れる商品開発で生み出されたものが店舗販売されているそう。

『生産者さんと一緒に』

を信条に、生産体制の支援と販路開拓、商品開発を交えた、まさに6次産業化の旗印として、さまざまな方々が躍動していることがわかります。

そうした方針の中では、野菜だけでなく、地元での販路に苦しんでいた地元漁師さんへの支援や、既存組合との壁を克服した事などにより、

交流館での取り扱い品目が幅広くなり、更に消費者からの指示が厚くなるという、愛情による意図しない巻き込み戦略でどんどんと成長していることも交流館ならではの成功事例に感じられました。

お肉まで、出品されているのも、交流館で買い物を済ませたいというニーズにお応えして販路開拓されたそうです。

直売所の魅力は、何より新鮮さですから、お魚は新鮮なうちにいただきたいし、

いちごやいちじくも完熟したものを食べたいですよね〜。

そういったご要望はぜんぶ田布施地域交流館で叶うという訳ですよ!!

低硝酸ブランド”たぶせ健康野菜”

ドドンと並ぶこの野菜たちも、単に農家さん‍が作ったものを陳列して販売されているだけ…とか、そういう簡単な仕組みではありません。

田布施地域交流館(以下交流館)では、

たぶせ健康野菜

という、低硝酸野菜の提供を目指して、消費者さんの食の安全安心と、生産者さんの生産物価値向上を、昔から同時並行戦略で行われてきました。

交流館に関わる方々の様々な研究により、化学肥料が野菜に含まれる硝酸塩を多く残留させ、それによって栄養価や美味しさが損なわれていることを突き止め、生産者の方々と共に、このたぶせ健康野菜をブランドとして、早くから主力製品とすべく取り組んできたもの。

このたぶせ健康野菜は、低硝酸野菜として

・美味しい

・栄養価が高い

・身体に安全

・よく煮える

・エグみがない

・日持ちがする

・漬物が早く、よく漬かる

などの特徴があり、お子様にも安心、もちろん大人にとっても、成人病のリスク減などの効果が見込めます。

有機栽培によって、化学肥料や農薬をあまり使わない野菜は元気を取り戻していくことで、段々と自然に農薬が必要なくなっていくような状況が生産現場においても表れて、組合員さんたちもこのたぶせ健康野菜の基準を目指して生産に取り組む事に喜びや楽しみを見出されているそう。

コロナ禍において、最近は開催を見送っているものの、

それまでは二ヶ月に一回のペースで生産者さんとの勉強会の開催や、消費者さん向けの低硝酸野菜作りの説明会など、

いつも満員御礼の勉強会も交流館のオリジナリティのひとつです。

主婦の立場から、確かに色が良く、虫食いも少ないキレイな野菜を手に取ってしまう気持ちはとても分かるとしながらも、

食べたら絶対分かる!!

美味しさや、食の安全性の確保の観点からも、

たぶせ健康野菜

とってもオススメですよ

因みに、毎日売り切れ御免でございますのでご注意くださいませ。

地域の”いきいき”を応援する

さて、そんなステキな交流館のヒューマンパワーの源泉であり、創業時からレジ担当として支えてきた丸山さんにとっての交流館とは、

生産者さんと一緒につくってきた

直売所だそうです。

まず、田布施地域交流館に出荷される農家さんは専業の方が少なく、元々は自分たちで食べる分を趣味で作っていたような生産者さんが多く、まさに

家で食べる延長線

にあるような生産体制が基礎にあるようで、

元々、有機栽培や農薬も出来るだけ少なく、安全で美味しいものを作ろうという生産者さんが多いようですね。

そんな生産者さんの出荷したお野菜が、

毎日こんなにキレイに売れてゆけば、それはそれは嬉しいはず。

農産物直売所の特徴として、小規模農家さんの出荷が多く、交流館ではその傾向が強いことは先述の通りですが、

路地栽培を主とする生産者さんが多いため、旬の野菜の出荷が多くなるという特徴があります。

ですから、いつも様々な品揃えがあるスーパーに比べて、同じ野菜が陳列棚に並びやすい傾向にある直売所では、売れ残りのリスクが高くなりがちですが、

丸山さんはじめ交流館のメンバーのみなさんは、夕方、自分の野菜がたくさん売れて、満面の笑顔の生産者さんの顔が見たいと、大量の野菜を購入してくれる施設など、大口の購入者さんへの販路開拓まで、交流館のサービスとして取り組まれているのです❣️

本当に、涙ぐましい想いの上に成り立つ地域の流通の仕組みなんですよね。

丸山さんがびっくりされる事のひとつとして、

田布施の生産者の方は、70代、80代でもそれは元気、元気で、本当に楽しそうに野菜づくりに励まれているとおっしゃいましたが、

今までは自分や自分の身の回りのために生産していた生産体制から、交流館への出荷をするための元気の積み重ねによる

自家消費+α

が、生産者さんの励みや元気に繋がっていることは間違いなさそうです。

交流館から生まれるヒューマンサービスによって、田布施の高齢者の方々がいつまでも現役で、いきいきと元気に暮らせる基盤が地域にできているという事ですね

後編はこちら↓↓↓

愛いっぱい ヒューマンパワーの直売所〈田布施地域交流館 – 丸山真理子さん〉《後編》【人物百景@たぶせ】 | 田布施の耳たぶ (tab-mimi.com)

※『人物百景@たぶせ』は、菊名池古民家放送局(https://www.kominka.tv)から暖簾分けを受けた、まちで生きる人々を取材して、まちをより深く知るためのコーナーです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました