自然の恩寵 IT起業家の泥だらけの挑戦〈Grace Nature(グレイスネイチャー) -中山正成さん〉≪前編≫【人物百景@たぶせ】

人物百景@たぶせ

人物百景@たぶせ、第3話は、

ー 『自然』
我々は”しぜん”と呼びますが、日本では古来から『自ずから然(しか)らしむ』、あるがままの姿、自然(じねん)という考え方がありました。
まさに森羅万象。人間は自然の中の一部という考え方。この地球環境と一体となって、四季の変化や自然現象に”神”を見ながら感覚的に生きてきたのが本来の日本人です。

仕事に忙殺されていると、自然がすぐそばにあり、その自然が我々に恵みを与えてくれればこそ生きることが出来ている事さえ忘れてしまいそうですが、賢人はそうした事を忘れることなく常に心に抱いているのかもしれません。

そんな自然の恵みを愛し、出会った至上の農法を広めようと尽力されている方が田布施町にいました。


名前:中山 正成 (なかやま まさなり)

プロフィール:田布施町下田布施のご出身。

商社で国内外11年のキャリアの後、マンションの一室で1からIT企業を立ち上げた起業家(現在東証二部上場)

2016年に自身が心から惚れ込んだ”アルギット農業”による農産物の普及、流通を目的とした『Grace Nature(グレイスネイチャー)』を立ち上げ。業界の常識を覆す新時代の事業開拓にチャレンジ中。

GRACE NATURE (グレイスネイチャー)
住所:山口県熊毛郡田布施町大字下田布施3233-4
TEL:0820-26-4186 / 9時~17時 ※土日、祝日を除くhttp://www.gracenature.jp/

(聞き手・撮影・記事=田原)

※写真は一部中山さんからご提供をいただいておりますので、無断での転用はお控えください。使用をご希望の方はご連絡をくださいませ。

最後は自分が惚れ込んだもので、みんなを笑顔に

田布施の小高い山を切り開いた土地に、事務所と農場を構えるのは、少し土の匂いがする作業着が一段とお似合いの中山さん。

心から惚れ込んだ”アルギット農業”を自ら実践しつつ、日本中でこの農法に取り組む農家さんの作物の流通網の構築や、アルギット農業の研究や情報提供、アルギット自体の効果の研究やアンテナショップの設立へ向けて、精力的にご活動中です。

こんなに農業に勤しむお姿がお似合いの方もかなかいないのでは?…と思いきや、なんと、前職はIT企業の創業者。
商社で11年、内6年をアメリカにご駐在になった後、マンションの一室で1から立ち上げられたその企業は、なんと今や東証二部上場の超優良企業なんだそう。

田布施で生まれ育ち、職業として選んだITという特殊な業界での磨耗や、経営という重圧に日々押しつぶされそうになりながらも、いつも心のどこかにあったのは地元田布施の田舎の存在。

このIT会社は必ず成功させて、いずれ引退後は自然と共に暮らしたい。そして自然の素晴らしさを伝えたい、という想いが数多の苦難を乗り越える心の支えになったと懐古されていました。

アルギット農業でできた作物は、このようにはち切れんばかりの色つやで、味わいもとても濃厚で美味しい。

自然の恩寵

そんな想いを自身の最期のキャリアとして成し遂げるため、

そして、惚れ込んだアルギット農業を広めるため、

1から立ち上げた企業を譲り渡すために数年をかけて最後の手続きや引き継ぎを丁寧に行ない、ついに5年前に田布施で『GRACE NATURE』を設立。奇跡のトマトジュース『畑の赤い贈りもの』のヒットを生み出すなど、日々、認知が高まりつつある順調な滑り出しだそう。

【GRACE NATUREとは】(ホームページより)

私たちGRACE NATUREは「Grace of Nature」の略であり「自然の恩寵」を意味します。自然の中で生かされている私たちだから自然を愛し、自然の声に耳を傾けたい。つまり自然と人間との調和を取り戻したいという願いを込めて、社名を決定いたしました。私たち人間は自然の恵みの中で育まれ、いのちをつないでいることを再確認し、「安心で安全」「健康でおいしい」自然からの贈り物をみなさまの食卓にお届けしてまいります。

※GRACE NATUREコンセプトより

田原):IT業界という、一見農業とは真逆の業界から参入されて、これまでの印象としては感じられたことはどんなことですか?

中山さん):農業を本格的に始めると、人間がいかに自然に生かされているかがよく分かるんだよね。

実際に自分で土を触って、自信をもって絶対的にいいと思えるものを人様にご提供出来る。これは仕事をする上で至上の幸せなんだよなぁ。

人生最後の仕事は、世界に人々に健康と笑顔をお届けして、今までの恩返しをしたいんですよね。

アルギット農業

【アルギットについて】世界でも有数な潮の干満の激しい北欧のフィヨルドの岩場で、冬季は凍てつく空気に晒されながらも、夏は殆ど一日中沈まぬ太陽のもとで、生命の起源とされる海の豊富なミネラル栄養素を体内にしっかり取り込み蓄積しながらたくましく育った海藻です。

アルギット農業について – gracenatureアルギット農業についてアルギット農業とは、多糖類やミネラル、ビタミンを豊富に含んだ海藻「アルギット」を使うことで、作物が本来持っている能力を最大限に引き出し、味はもちろん風味、香りに優れた作物を多く収穫することを可能にした栽培技術です。www.gracenature.jp

※GRACE NATUREホームページより

田原):海藻といえば日本にもワカメとかがありますが、あれでは作れないんですか?

中山さん):ガッハッハ、笑笑 それは無理だよ!笑笑

北欧の冷たい冷たい海の海藻は、その厳しい環境で鍛え抜かれて栄養を存分に蓄積するため、とんでもなく栄養価が高いんだよね。
母なる大地から流れ出る色んな栄養素が海に流れ込み、大海原からミネラル分をふんだんに吸収し、それを掴んだら離せないような冷たい海に漂う海藻だからこそ、非常に高い栄養素を含んでるんだよ。

【アルギット農業とは】多糖類やミネラル、ビタミンを豊富に含んだ海藻「アルギット」を使うことで、土壌微生物を増殖させ疲弊した土をよみがえらせ、作物が本来持っている能力を最大限に引き出し、味はもちろん風味、香りに優れた作物を多く収穫することを可能にした栽培技術です。人工的な作り方ではないので、その時々で作物が何を欲しているのか的確に捉え、自然が喜ぶお世話を手間ひま惜しまずすることで、栄養価が高くおいしい作物を作りだすことがアルギット農業です。

※GRACE NATUREホームページより

アルギット農業は経験がモノを言うとの事で、ちゃっと難易度の高い農法だそうです。肥料なども作物の様子を伺いながら、丁寧に必要なものをバランスよく与えていかないといけないとの事でした。

※このコーン、写真でも一粒のはち切れんばかりの様子が分かりますか?めちゃくちゃ美味しいかったです。(お土産にいただきました。)

【アルギット農業の効果】

①植物が元気

②果物が大きく、甘く、瑞々しい

③新鮮さが持続する


アルギットを与えた土壌の微生物の活動が活性化する上、植物は根を大きく張ったり、葉が分厚く、葉先まで力強く伸びたりし、とにかく元気な植物が育つとの事。

エネルギーを蓄えに蓄えた農作物は、輸送などの厳しい環境でも萎れたりしにくく、長持ちするそうです。

アルギットは”肥料”にあたるようですが、作物だけでなく土の生態系をも活性化するエネルギーがあるという印象で、農作物も全体的に大きくなりがちだそうです。

この農法の難しさはそこにあって、植物が元気になるからこそ、大きく強くなった植物自体に必要な栄養素がその分多く必要になり、不足すると葉や実まで栄養が行き届かず、上手く育たないといった事例があるようです。

肥料のやり過ぎは作物に悪影響を与えることも多く、農家さんが及び腰になるもの理解が出来るそう。だからこそ、自分で実践したりノウハウを集積して、確立した情報にしていきたいと取り組まれています。

後編へつづく・・・

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GRACE NATURE (グレイスネイチャー)
住所:山口県熊毛郡田布施町大字下田布施3233-4
TEL:0820-26-4186 / 9時~17時 ※土日、祝日を除くhttp://www.gracenature.jp/

※『人物百景@たぶせ』は、菊名池古民家放送局(https://www.kominka.tv)から暖簾分けを受けた、まちで生きる人々を取材して、まちをより深く知るためのコーナーです。

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